こんな疑問にお答えします!
僕は現在、私立薬学部の5年生です。(2021年にストレートで合格し現在は薬剤師です。)
薬学部で5年間過ごし、大学の内部事情や特待生で入ってきた優秀な学生、早くに留年して消えていった学生など、色々なタイプの学生をまじかで見てきた経験をもとに「薬学部とは!」ということをテーマとして、受験生のためになる情報を発信しております。
今回は薬学部の入試傾向と偏差値をテーマに薬学部を解説していきたいと思います。
まず、受験について情報収集は超重要だね。
記事の最後は現役生が感じる薬学部に入った後の注意点を教えるよ。
もくじ
薬学部を取り巻く環境
6年制の薬学部に入学すると、『卒業後、薬剤師免許を持って働く』ということがほぼ決まります
なので、受験生が入学前にある程度、先を見越して医療業界の現状と将来性を知っておくことはとても重要だと思います
この機会にサラッと予習していきましょう!
“医薬分業”が進むとと共に、薬剤師に求められる役割も変化していきました
その結果、2006年に『薬剤師養成課程(6年制薬学部)』が誕生し、それまでの4年制薬学部(研究者養成課程)と分離されました
医療業界において医薬分業、チーム医療がスタンダードになり、医師、看護師とともに薬剤師がスペシャリストとして医療に参加するためには、それまでの研究者的な側面よりも、 医療従事者としての専門性が医療現場で求められるようになりました
2006年から薬学部は今の6年制を導入したんだね
入試倍率の推移
薬学部が4年制から6年制へ移行するに伴い、倍率や志望者の数も変化していきました。
また、新設の薬学部の増加や少子化が与えた影響も大きいようです。
2005年度(6年制へ移行する直前)の私立薬学部の入試倍率は約26倍、
2006年以降(6年制へ移行した年)、17倍、15倍となって、2008年以降は10倍前後を推移しています
(医療予備校講師会調べ)
現在、4年制私立大学の半数が定員割れをしていると言われています。
そのような状況の中でも今だに10倍を超える6年制薬学部の入試倍率は、薬剤師免許の人気の高さを物語っています!
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4年制の薬学部では薬剤師になることはできないから注意だよ!
受験科目と傾向
試験科目は、多くの私立薬学部では3科目であり、数学は1A,2Bまでで、数Ⅲは出題されないです
(例外として、東京理科大学では、数Ⅲが含まれます)
英語は必須であり、理科科目は大半の大学で化学(化学基礎・化学)が必須ですが、化学・物理・生物の中から1科目を選択できる大学もあります
また、最近では昭和大学薬学部や帝京平成大学薬学部のように面接試験を行う大学が増えているようです
これは、勉強ができるだけではなく、 しっかりとした目的意識をもった学生を受け入れたいというのが大学側の本音だからです!
薬学部への入学に必要な偏差値は過去と比べると低下傾向にあり、偏差値ランキングを見ればわかるように、上位大学と下位大学の差が大きく広がり、現在は大学を選ばなければ入学難易度も低く薬剤師を目指しやすくなっているといえます
参考:【2020年版】薬学部大学偏差値ランキング 在学生が感じるメリット・デメリット
しかし、ここで注意したいのが、国家試験は年々難しくなってきているということです!
入るのは容易になっても、出口である国家試験に合格できなければ意味がありません
実際のある年の例を挙げると、
一番数字の悪い大学では100名の学生に対して、薬剤師になれたのはたったの8名。(トップ校では80名です)
この両方の大学が混在しているのが2020年現在の薬学部の現実です
なので現役薬学生の僕から、受験生へのアドバイスとしては入学することをゴールとせず、
薬剤師国家試験に合格する!
という目的を入学前から明確に意識してほしいということです
自分が受験する大学は、ストレートで国家試験合格率がどれくらいなのかは必ずみておきましょう!
上記のように、国家試験合格率が高い大学と、低い大学の2局化が懸念されています。
国際医療福祉大学は合格者数100人以上の大学ではトップクラスの国家試験合格率を誇っています。
また、私立大学では珍しい、6年間の学費が1000万をきる数少ない大学であり、
特待生入試で合格すれば国立と同程度の学費で薬学部に通うことも可能です!
(僕も特待生入試で合格して今現在在籍しております)
私立では国家試験合格率が大学の人気に直結するため、しっかりと国家試験対策を行うところが多いです。
薬学部を選ぶポイント
薬学部の大学を選ぶ際は2つのポイントに着目してください
1:受験者数
2:偏差値
ここまで見ていただいた方には私立薬学部にはいい大学、あまりいいとは言えない大学の2つが存在することがわかってきたと思います。
では、いい大学とあまりいいとは言えない大学をどうやってそれらを見極めるか、そのポイントを説明していきます!
1:受験者数が減っている
受験者数が減っているというのは問題です。
さらにそれが定員割れをしていたら、かなり問題ありだと考えましょう。
例えば、東北のほうの新設大学では1400人ほどだった受験者数は450人、145人と、ついに定員割れを起こしています。
都内の歴史ある薬科大では今だに受験者数2800人強を維持しています。
受験者数全体のデータのトレンドとしては全体的に受験者数は減少しています
新設大学が増え、定員数は増える→受験者数は大きく低下
結果的に「質の劣化」が起きます
定員割れの問題はというと、
例えば定員100人の大学に受験者90人であった場合、
経営上の観点から言えば、その90人を落とす理由はないのです。
しかし、現実問題として彼らが難しいとされる薬学部で進級し、教養試験、国家試験に合格できるかと言えば疑問が残ります。
僕自身の経験として、追加合格者で5年生まで残っている学生はほとんどいなくて、3年生あたりまでに留年している生徒がほとんどというのが現状だと言えます
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2:偏差値35で薬学部…?
続いて偏差値です。
2005年(6年制以降直前)では偏差値50を切る大学はほとんどありませんでした。
しかし、2010年頃からボーダーフリー、つまり偏差値35以下の大学が乱立してきました
東北の方の大学ですね。
ボーダーフリーとは受験した人の全員が入学できることを言います。
大学全入時代と言われる現在、その波は薬学部にも影響を及ぼしているようです。
しかも、深刻なのはその受験者全員が入学したとしても定員割れを起こしいるという事実です!
このような大学が存在する中で、“薬学部”を一括りにして語るのは本当に正しいのでしょうか?
薬学部といってもピンキリなんだね
自分が目指す薬学部の偏差値をみることで入学後、国家試験に合格できるかを知る指標になるということだね
薬学部で留年するタイプは?その原因と解決法
偏差値と受験の傾向についてはわかりました。
薬学部は留年率が多いって聞いたけど、入学前に自分は薬学部に向いているのか知りたいです
僕は私立の薬学部に在学し、ストレートで現在5年です
夏からは薬局、病院で半年間の実務実習が始まります
5年間、「デキる学生」、「留年していく学生」の両方をまじかで見てきた中で、彼らの違いはなんであるかを自分なりの考察をしてみたのでまとめます
入学前の学力が関係?
入学前に学力に不安がある人がほとんどだと思います
僕も本当に不安だったし、薬学部で留年することなく進級することができるか、自信がありませんでした
なんせ6年ありますし、薬学部と検索すると『留年』、『辞めたい』
などのネガティブなワードがヒットし、不安にかられました
しかし、結果的に5年生まできて薬学生の生活を楽しめています
結論から言えば、入学後の本人のやる気と努力次第です
県内一の高校からきても留年する人はいますし、AOで入っていい成績の人もいます
どうしても薬剤師になりたい!という強い思いがあり
努力を続けられる性格であれば、過度に心配する必要はないと思います
薬学部で留年してしまう原因
留年は薬学部を語る上で避けては通れない話題ですが、
今回は僕の独断と偏見で、留年する人の特徴を紹介します
✔︎留年する人の特徴は3つ
1.ひとりでいることによる情報不足
2.バイトの入りすぎ
3.サボるクセがある人
1.ひとりでいることによる情報不足
これは留年の理由として最も多いのではないでしょうか?
悲しいですが、ひとりでいると情報は回ってきません。
いくら優秀でも過去問がなければ地図を持たずして戦に臨むのと同じ。
よほどの実力と孤独に打ち勝つ強靭な精神が必要です。
僕たちの学年でも成績が優秀な人たちは優秀な人同士のグループで切磋琢磨し合い、学年トップの成績をとってます。
一人でできることには限界があります。
自分と同じくらいのレベルのグループで勉強するのがオススメです。
2.バイトしすぎて勉強不足
薬学部生と言うからには、本業の勉強をおろそかにしてはいけませんよね
他の学部のように普通の大学生をやっていれば、単位を落としていつか留年してしまうかもしれません
テスト近いのにもかかわらず、バイトを入れすぎていては黄色信号です
僕の周りにはそんな友人が多かったですが、ずるずる留年して辞めていってしまった人はたくさんいます
悲しいことに何人かは連絡が取れず失踪してしまう人もいるくらいです
薬学生にオススメのバイトはこちらです。
3.サボるクセがある人
どこかで手を抜く癖がつくと直すのは難しいですよね
自分もついつい手抜きをしてしまうことがあります、、
ただ、テストまでに帳尻を合わせておかなければ親や友人に迷惑をかけてしまいかねませんので、せめてテスト前の一ヶ月だけでも頑張りましょう
まとめ
いかがだったでしょうか?
受験の傾向から、薬学生の厳しい現状を知ってもらえたら幸いです
薬学部に入るのは簡単になりましたが、合格後の進級、国家試験を見据えて考えることが重要でした
本格的に受験シーズンに入りますが、受験生は体調に気をつけて頑張ってくださいね。
最後まで見ていただきありがとうございます!
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