そんな疑問に答えます。
- CBTの概要
- 受験した感想
- 対策の時期
- 国試にも通ずる勉強法
今回は全国の薬学生が必ず通る CBT試験を自分が受験してみた経験とともに紹介します。
恥ずかしながら私も受験する直前まで問題数、時間配分や出題範囲をちゃんと分かっていませんでした。
そんな経験からこれだけは知っておきたかったなー。ということをまとめました。
また薬学部への進学を考えている受験生にとっても参考になるように工夫しました。
この記事さえ読めばCBTについてはもうバッチリ!という状態になってもらえるようにまとめましたので、ぜひ読んで役立ててくださいね。
もくじ
薬学教養試験(CBT・OSCE)の概要
CBTは( Computer-Based-Testing)の略で全国の薬学生が4年次にコンピュータで受験する試験です。“コンピュータ”と入っていることからもわかる通り、試験は大学が定めた試験会場で用意されたPCを用いて行われます。
- CBT(Computer-Based Testing):主に知識を評価する客観試験
- OSCE(Objective Structured Clinical Examination):主に技能・態度を評価する客観的臨床能力試験
CBT試験の目的は教習の仮免試験である
薬学共用試験はどのような目的で実施されるのでしょうか。
6年制薬学教育では薬剤師としての実践能力の習得、医療人としての倫理観や使命感の醸成を目指して、経験豊富な薬剤師の指導・監督の下で、5年次以降に病院・薬局などの医療現場での実務実習が行われます。しかし、薬剤師資格を持たない薬学生が実務実習を行うには、学生の知識・技能・態度が一定のレベルに到達していることを保証する必要があります。そのための試験が薬学共用試験です。薬学共用試験センターは、実務実習を担当する施設や社会に対して「実習生の質的保証をする」という重要な使命のもとに、中立公平な立場で試験を実施しています。
薬学共用試験センター/共用試験について より引用
簡単にまとめると薬局病院実習に行く資質があるかどうかを見極めるためです。
自動車免許の仮免許試験をイメージすると分かりやすいでしょう。調剤業務は本来、薬剤師の国家資格が必要ですよね。路上教習と同じように、無資格者を実地で業務させるには、一定の水準をクリアした者でなければ事故やトラブルとなってしまいます。
CBT試験の出題数は全310問
下記のようにゾーン1〜ゾーン3の3部構成です。
ゾーン1
- 物理系薬学(30題)
- 化学系薬学(35題)
- 生物系薬学(35題)
ゾーン2
- 医療薬学[薬理・薬物治療系](60題)
- 医療薬学[情報系](15題)
- 医療薬学[薬剤系](35題)
ゾーン3
- 基本事項(10題)
- 薬学と社会(20題)
- 衛生薬学(40題)
- 薬学臨床(30題)
問題数は全部で310問です。出題される問題は受験生ごとに異なりますが、体験受験や過去の結果から各問題の正答率がデータとして算出されており、正答率の和が等しくなるように組み合わさっています。問題形式としては、一問一答の選択問題です。1題につき5つくらいの選択肢があり、選ぶ形式になります。
つまり「受験生ごとにCBTの問題は全く同じではないが、難易度は変わらないような工夫がされている」
ということです。
実施時期は各大学が設定した日程により行われます。(12月1日〜1月31日の間)
したがってCBTを先に行うか、OSCEを先かは大学によって異なります。
CBTの合格率は97%以上!
薬学共用センターが過去の合格率を掲載しています。こちらから確認できます。
掲載データを見るとCBTの合格率はほぼ100%でと言っていいでしょう。(再試験者を含む)
近年は97〜99%を推移しています。不正や欠席さえしなければほとんどの受験生が合格することとなります。
なぜこんなに合格率が高いのか、その理由はCBTの出題基準にあります。
- 正答率70〜80%の問題とする
- 310問中、得点率が60%が合格ライン
- 科目ごとの足切りは無い
となっています。
確率論的にみても落ちることの方が難しいですよね。なので特別な勉強を行わなくてもCBT に合格すること自体は難しくないと言えますね。
「よっしゃ、じゃ対策はしなくていいや」と思った方は要注意です。
なぜなら国家試験の合格率は68%程度だからです。さらに国家試験の必須問題はCBT レベルであり、合格者とそうでない者の差が大きく出ると言うことをご存知でしょうか。
詳しくは下記で述べますが、国家試験を見据えるとこの時期の勉強に対するスタンスが合否を分ける重要なファクターであることは間違い無いです。
CBT試験を受験した感想と国試合格者からのアドバイス
CBTに合格できそうなことはお分かりいただけたと思います。
ここからはCBT を受けた感想と薬剤師国家試験を見据えた勉強に対するスタンスを紹介します。もし国試のことは今は考えていない、と言う方には読んでいただくのは時間の無駄なので、FAすることをおすすめします。
CBT 前に独自の試験を課す大学もある
大学によっては教養試験(CBTとOSCE)の前に、定期テストとは別の独自の試験を課す大学があるようです。いわゆる進級試験ですね。
薬学部4年次に進級するためのなポイントはこの進級試験に合格することです。教養試験(CBTとOSCE)ではありません。
普段の定期テストや前期に行われる進級試験の方が断然難しいです。
つまり4年次に留年してしまう方というのは進級試験に受かることができず、教養試験(CBTとOSCE)が受けられない方ということが言えます。
進級試験とはCBTの受験資格を得るためのテストです。
4→5年への進級条件として教養試験(CBTとOSCE)の合格がありますので、
進級試験に落ちる=留年
です。
繰り返しになりますが進級試験は大学独自の試験であって、全ての大学でおこなわれるというものではないです。
ちなみに僕の大学で進級試験に落ちた人数は、現役生は5人、留年生14人の計19人でした。
CBT試験を受験した感想
私の大学では進級試験がありました。難易度はそんなに高くありませんでしたが、7月と8月に実施されるので早くから勉強をしなければなりませんでした。そんなわけで12月頃は勉強もそこそこできていたのでCBTは簡単に感じました。
今まで難しい定期テストと進級試験をクリアしてきた人は
普通落ちない。
また多くの大学ではCBTの対策講義があったり、薬ゼミやMedicereが行う模試が3、4回あるはずです。それらをやっておけば十分に対応できると思います。
模試は捨てずにしっかり解き直しに使いましょう。
模試はちゃんと順位も出ますし、本番とほとんど変わらない内容です。なので復習すれば、CBT本番でも手応えを感じることができます。
勉強は模試を復習するのが効率的なんだね。
CBT合格のためのテクニック
続いてはテクニック的なお話です。
「科目数が多すぎるし、自信がなくて何から手をつけたらいいかわからない」
といった質問をよく見かけます。
僕のオススメはまず薬理から勉強することです。
薬理は問題数が多く、問題内容としても努力して勉強すれば確実に点が伸び、生物などの知識も網羅でき効率が良いからです。
薬理を固めた後、衛生や物理などを開拓する方が気持ち的な面でも楽に勉強できると思います。
少しズルいですが、努力しても点数に結びつきづらい分野や問題数が少ない科目は後回しにしても大丈夫です。
例えば、統計学や生薬の分野です。努力の割に出題数が少ないのでなかなか点数に結びつきません。
CBTの合格基準は 310題中186題(60%)以上正解することです。
また重要なこととしてゾーンごとの足切り点はありません。
満遍なく出来る必要がないのです。極端な話、ゾーン1が0点で、ゾーン2とゾーン3が満点なら問題なく合格ということになります。
これを意識して勉強することで効率よく取り組めます。
CBT対策は国試を見据え1年かけてやるべき理由
まずはこれを見てください。
この記事はまとめると
- CBT≒国試の必須
- 必須がデキている≒国試の成績がよい
- 9月以降は必須は伸びにくい(国試前)
- 4年のうちに基礎は定着させろ!
とあります。
「4年次の成績は国試の成績と密接に関連する!」
これ、ほんとにそうなんです。
参考までに私の成績で見ていきましょう。
こちらが4年次の模試の成績です。順位は84/4311です。
こちらは6年次の統一Ⅰです。4年次から順位は大きく変わりません。
これは周りの友達を見てもそうです。4年の頃から成績良かった友達は6年でも良かったですし、サボった人は苦労していました。
4年生のうちはまだ国家試験にピンとこないかもしれませんが、実習・研究が終わればすぐ国試です。
4年生はたくさん遊べる時期でもあるので、たくさん遊んで、勉強も計画的に実施できれば6年の時に苦労しなくて済みます。
国試にも通ずるCBTの勉強法
国試に通じる勉強法です。
- 過去の授業プリント
- 薬ゼミコアカリマスター
- 薬ゼミ重点ポイント集
を使います。
まず重点ポイント集を1周解いていきます。
○…解けた問題。もうやらなくていい
×…間違えた問題
△…あってると思ったのに間違えた問題
○がついた問題は本番もできる可能性が高いので復習の優先順位は低い。
×がついた問題は次も間違える可能性が高いので最低3回解く。
一番気をつけたいのは△の問題です。あってると思っていたのに間違えていたら要注意なので過去の授業プリントから重点ポイント集に書き込みしておきましょう。
2週目以降は△と×の問題だけ解けばいいので効率的です。また、できるだけ過去の授業プリントからコアカリに書き込んで自分なりにまとめておきましょう。自分なりに覚えやすい図などがありますよね。4年間の勉強をコアカリ一冊にまとめておくイメージです。そうしておけば6年で使う新品の青本にすぐ書き込みができます。要はコアカリに4年分のデータのバックアップを取っておいて6年次に引き継ぐイメージです。手動なので面倒ですが。
6年生になったらすぐにバックアップをとっておいたコアカリから青本に転記してください。6年になってから古い授業プリントを引っ張り出すのはとても手間ですし、どこに何が書いてあるのかさっぱり忘れてしまっています。
6年の初めはコアカリ→青本に転記することで記憶を効率よく甦らせることができるのでおすすめです。ゼロから新品の青本を覚えていくより過去に自分が使っていたメモの方が役に立ちます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
CBTが終わればいよいよ5年生です。
5年は多くの大学で研究と実習のみでテストはありません。
遊べる最後の時期なので、それをモチベーションに頑張るのもいいかもしれませんね。
最後まで見ていただきありがとうございます!
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CBT対策はいつから始めればいいのかな
最低限知らなきゃいけないことってなんだろう